
山の3月は 雪がほとんど消えても、木の芽が伸びるには まだ寒い。
それでも雑木林の梢は 赤紫を帯びて 山は 柔らかい色合いになってくる
谷に朝靄が立ち込め 土の匂いが春を告げている。
今は、こんな景色なのだろう、と想像する。
2019年の暮れから COVID-19という新型の感染症が 世界中に広がっている。
先の見えない病気との闘いに疲れたかのように 世の中には不穏な空気が
溢れているような気がする。とにかく 誰にでもできることは極力 人との
接触の機会を減らす、ということで 山にもずいぶんご無沙汰している。
でも 想像することはできる、山の季節の移り変わりを、動物たちの営みを…
人間以外の生き物は いつもの年と変わらず春を迎えようとしている。